第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作

・「月桃夜」遠田潤子 ISBN:4103198311 この作品で、奄美大島の歴史について初めて知りました。砂糖が通貨だったとはびっくりです。花々のねっとりした甘い香りや闇に融けこむ血や汗の匂いにくらくらさせられました。 ・「増大派に告ぐ」小田雅久仁 ISBN:410…

第21回日本ファンタジーノベル大賞授賞式&競作プロジェクト続報

12月3日、日本ファンタジーノベル大賞授賞式&お祝いパーティへ出席してきました。以前の授賞式は九月だったり、十一月だったりで、受賞作刊行はその後だったのですが、今回はすでに受賞作が本になっていたので授賞式前に読むことができ、受賞者のお二人に感…

ダライ・ラマとマイケル・ジャクソン

・ダライ・ラマ14世法話「さとりへ導く三つの心と発菩提心」 古代インドの話が書きたいと思い立ってから、ずっと仏教、とくに釈迦が説いた当時の教えがどんなものだったか知りたくて調べています。その流れのなかで、チベット仏教にも興味があり、ダライ・ラ…

シカン展

国立科学博物館「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」に沢村凜さん、斉藤直子さん、畠中恵さんと行ってきました。同展は初日前に準備中のところを見せていただいたのですが、3Dやテレビ映像での紹介を今回きちんと見られたのでよかったです。 ご一…

辻邦生展

先月のことになりますが、軽井沢高原文庫で開催中の「没後10年 辻邦生展 豊饒なロマンの世界」を観てきました。高原文庫の白い建物は緑の林に文豪たちの別荘が点在するなかにあり、辻氏を偲ぶにふさわしい美しいところでした。古くからの辻さんのファンか…

ナショナルジオグラフィック日本版

8月9日に島田泉教授にインタビューしましたと書きましたが、それをまとめたコラムの掲載された「NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 9月号」が発売されました。コラム名は「地球人物記 島田泉 古代アンデスに挑む考古学者」です。 限…

少女工房

「少女工房」と題された「高田美苗・樋上公美子 2人展」へ行ってきました。 ここがまさに地下の秘密工房かも、と思わせる個室に、銅版画などに描かれた少女たちがずらりと並んだ様子は壮観でした。久しぶりに高田美苗さんにもお会いできてラッキーでした。こ…

島田泉教授インタビュー

先月のことになりますが、日経ナショナル ジオグラフィック社からの依頼で、考古学者の島田泉教授にインタビューしました。場所は、現在シカン展が開催されている国立科学博物館。初日直前だったため、展覧会場は設営中でトンテンカンテン金槌の音がしていま…

訃報

「ひなのころ」よかったです、と連絡をくださったところからおつきあいの始まった新潮社の編集さんが亡くなっていたことを知りました。周りの方を煩わせたくない、との気持ちからご病気のことを伏せていらしたそうで、わたしも何も知らなかったので、本当に…

こんな人も書いてます

はてなダイアリーの「こんな人も書いてます」に認定されました。どなたが推薦してくださったのでしょうか。どうもありがとうございました。これからも今のゆっくりしたペースでぼつぼつ更新していきたいと思っています。 また、「STRANGE FICTION」(「SFマガ…

出アフリカと南への旅

・「日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造」篠田謙一 ISBN:414091078X 先日お会いした国立科学博物館の篠田謙一氏にご著書を頂きました。 出アフリカをはたした現生人類の足取りを、突然変異によって分岐した各DNAグループごとにたどる…

本の雑誌

「本の雑誌」5月号の特集「2009年、私の仕事(予)!」アンケートにお答えしました。今、執筆している作品を早く形にしたいものです。

「ヤシュ・クック・モ」打ち上げと義井さんを囲む会

先日、沢村凜さんの新作「笑うヤシュ・クック・モ」の打ち上げ会兼一時帰国中の写真家・義井豊氏を囲む会にお誘いいただき、出席してきました。場所は作品の舞台であった新宿某所、出席されたのは沢村さん、義井さんのほかに、双葉社の編集さんお二人と国立…

「ひなのころ」入試問題

「ひなのころ」が、私立中学校の平成21年度入学試験で出題されました*1。入試問題への採用は4回目になります。文庫本の出版は去年でしたが、単行本が出てからはすでに三年近くが経過しているので、少々、驚きました。 とある文学賞の最終候補作に選ばれ、思…

新年会2009

先日、所用で南オーストラリア州へ行ってきました。現地は真夏の40度。シドニーには乗り継ぎのみで降りませんでしたが、真冬から真夏への約十時間のトリップは、完結作「あたしのなかの魔法」が今月出版されたジャスティーン・ラーバレスティアの"Magic or M…

ミツバチのささやき

・「ミツバチのささやき」ビクトル・エリセ監督 ISBN:B001FVXU9Q 「ビクトル・エリセ DVD-BOX」が発売されたのを機に、二十年ぶりくらいに見返してみました。学生時代にはアナの受難に同情したものでしたが、今回は、彼女が願いに願って「フランケン」を引き…

新年にあたって

あけましておめでとうございます。昨年は多くの人にとって大変な一年であったかと思います。でも、冬来たりなば春遠からじ、日はまた昇るもの。新しい年が皆さんにとって素晴らしいものでありますことをお祈りしています。わたしにとっても、いろんな意味で…

沢村凜さん新作ミステリ

・「笑うヤシュ・クック・モ」沢村凜 ISBN:4575236438 この作品を読まれる方は、とにかくまず扉のヤシュ・クック・モ像をよーくご覧になってください。マヤ文明のユニークな造形を味わう、ためばかりではありません。作中に解説がありますので多くを語ること…

「あたしをとらえた光」解説

わたしが解説を書いた「あたしをとらえた光」(原題"Magic Lessons")がハヤカワ文庫FTから発売になりました。この作品、著者はジャスティーン・ラーバレスティア(Justine Larbalestier)氏で、翻訳は大谷真弓氏、2007年アンドレ・ノートン賞受賞のファンタジイ…

第20回日本ファンタジーノベル大賞受賞作

・「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」中村弦 ISBN:4103120819 長くなりますが、主人公の恩師にあたる人物の言葉がとても良かったので引用させてください。 「彼の建築が国家や社会に実際的な利益をもたらすことはないかもしれんが、どこかにいるひとりの…

第20回日本ファンタジーノベル大賞授賞式

25日にクラブ関東でおこなわれた第20回日本ファンタジーノベル大賞授賞式に出席してきました。 大賞は「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」の中村弦氏、優秀賞は「彼女の知らない彼女」の里見蘭氏でした。お二人のご受賞に心からお祝いを申し上げます。建…

ブラッドベリ新作

・「社交ダンスが終った夜に」レイ・ブラッドベリ ISBN:4102211063 88歳にして、これからまだまだ新作が出るというのは凄いです。わたしの好きな「たんぽぽのお酒」では<人間タイムマシーン>フリーリー大佐が少年たちに南北戦争を語っていましたが、作者本…

小林万希子さんホームページ

「ひなのころ」の入試問題が採録された受験問題集が送られてきました。受験生の方にはそろそろ追い込みの時期ですね。わたしも頑張らなくてはなあ、と思うのは、もちろん新作の執筆です。「本の雑誌」5月号特集「私のマル秘新作!」で触れた作品は、枚数だけ…

ワールドコン・レポート

・「世界のSFがやって来た!!―ニッポンコン・ファイル2007」日本SF作家クラブ、小松左京 ISBN:4758411158 わたしも参加したワールドコンのレポートが本にまとまりました。写真も豊富です。 ・「麦酒アンタッチャブル」山之口洋 ISBN:4396208537 山之口洋氏の…

アンケート「私のベスト・ファンタジー」

8月9日の記録で、「小説新潮」9月号では日本ファンタジーノベル大賞の20周年記念大特集が組まれています、と書きましたが、実際の特集名は「日本のファンタジーはすごい!」でした。もう一つの特集が「短篇ファンタジー傑作選」で、こちらの執筆者は8名全員…

第7回センス・オブ・ジェンダー賞

今年で第7回目となるセンス・オブ・ジェンダー賞受賞作が発表になりました。第4回で「アマゾニア」に大賞をいただいたご縁から、今回、最終選考委員として関わらせていただきました。結果は以下のとおりです。 2007年度 Sense of Gender賞 受賞作品 ○大賞 松…

日本ファンタジーノベル大賞20周年

今朝の新聞で、第20回日本ファンタジーノベル大賞受賞作が発表になっていました。大賞は中村弦氏の「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」、優秀賞は里見蘭氏の「彼女の知らない彼女」とのこと。おめでとうございます。中村弦氏のインタビュー(読売新聞9日…

崖の上のポニョ

ポニョをみました。ずいぶん前から娘が主題歌を歌いながら楽しみにしていたので、この映画なら連れて行っても大丈夫かな、と思って、映画館デビューさせてみました。始まる前は途中で飽きてしまうんじゃないかと心配しましたが、それは完全な杞憂でした。ポ…

「幻魔大戦」シリーズ新作ほか

19年ぶりにインディ・ジョーンズシリーズの新作「クリスタル・スカルの王国」が公開されましたね。「アマゾニア」で触れたアマゾン探検隊のオレリャーナに絡む話らしいので興味があります。 ・「幻魔大戦deep トルテック」平井和正 何年ぶりといえば、注文し…

「鉄塔武蔵野線」を見ました

先日、所用があって行った場所でたくさんの鉄塔を見かけたので、ソフトバンク文庫をひらいてMAPを確かめてみましたら。まさしく、「鉄塔武蔵野線」そのものを目撃していたのでした。映画版、新潮文庫版、ソフトバンク文庫版と姿を変えた「鉄塔武蔵野線」です…

Copyright (C) 2004-2020 Chise KASUYA. All Rights Reserved.