第20回日本ファンタジーノベル大賞授賞式

歴代受賞作展示

25日にクラブ関東でおこなわれた第20回日本ファンタジーノベル大賞授賞式に出席してきました。
大賞は「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」の中村弦氏、優秀賞は「彼女の知らない彼女」の里見蘭氏でした。お二人のご受賞に心からお祝いを申し上げます。建築がテーマの作品が大賞とあって、授賞式のお祝いスピーチで主催の清水建設の方が「私どもの創業者もこの作品の主人公たちと同じ時代に活躍しておりまして」と、とても嬉しそうにお話になっていたのが印象的でした。
さて、今年でこの賞も20回、手塚治虫氏の名前が選考委員として挙げられていたのに惹かれて(その後、手塚さんはお亡くなりになってしまって、実際には選考されなかったのですが)初回に投稿してから二十年がたってしまったのか、と感慨深いです。この二十年を振り返ってみれば、バブル絶頂から失われた十年を経て、1999年を過ぎてミレニアムに浮かれた直後に同時多発テロ。第13回受賞者として、畠中恵さんと主催の読売新聞社本社へご挨拶へうかがったのは9.11の翌日でした。「こんなことになってしまって、わたしたちの本はほんとに出版されるんでしょうか」と二人で話していたのを覚えています。それから七年、世界各地での高度成長期が過ぎ去ったかと思うと今度は大不況と、激しい浮き沈みのなか、この賞が続いてきたことを一ファンとして喜びたいと思います。

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