ナスカ展

上野の国立科学博物館で始まった特別展「世界遺産 ナスカ展 地上絵の創造者たち」(公式ホームページはこちら)、開催に尽力された写真家の義井豊氏にお招きいただいて、開会式と内覧会に出席してきました。開会式には、来賓として、インカ、中南米に関する研究で著名な増田義郎東大名誉教授や楠田枝里子氏、背中に地上絵の刺青を入れられた格闘家の須藤元気氏がいらしていました。

ナスカといえば地上絵ですが、土器や織物も、一度見たら忘れられないユニークなものです。ベロを出した神様の絵とか、マンガっぽくて現代的、二千年近くも昔のデザインとは思えません。また、黒目の判別がつくほど保存状態の良いミイラも展示されていました。地上絵制作の動機に関する過去、現在の学説が幾つか紹介されていましたが、なかでも、あの一筆書きの線はその上を歩いて祭儀場へ行くための参道ではなかったか、という説は、今回、初めて知りました。そのほか、いろいろと刺激的で、学生時代、リマの天野博物館で義井氏に一つ一つ丁寧に説明していただいたときのこと、セスナに乗って地上絵を見ながら、あまりの気持ちよさに居眠りしてしまった(!)ことなど、ひさしぶりに思い出しました。

会場には、地上絵を上空から見下ろした時の感じが体感できる大スクリーンも設置されています。地上絵に興味のある方は必見です。開催期間は3月18日から6月18日、7月以降は鹿児島、静岡、大分へ巡回するようです。

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