アマゾニア [Kindle版]

アマゾニア

アマゾニア [Kindle版]」が発売になりました。ご案内のため過去の記録を見返したら、単行本の刊行は2004年、今年は10年目にあたることに気がつきました。時がたつのは早いものです。
この作品はデビュー2作目だったので書くのがとてもしんどかったのですが、とにかく、読んでくれた方に楽しんでもらおう、と一生懸命でした。また新しい読者の方に楽しんでいただけたら嬉しいです。

日本SF作家クラブ創立五十周年記念祝賀会

SF作家クラブ50周年ケーキ


日本SF作家クラブ創立五十周年記念祝賀会に出席してきました。2013年が50周年にあたり、その間、さまざまなプロジェクトがおこなわれましたが、その締めくくりとなるお祝いの会でした。盛り上がったのは、クラブの誕生日ケーキのケーキカット。

会の最後には、東野司会長が、前会長瀬名秀明氏の功績をたたえながら、今後、SF作家クラブは懇親団体であるとともに、SFの名を冠した唯一の創作者集団として行動していく必要がある旨、語っていらっしゃいました。

微妙に人見知りなので、パーティは苦手なのですが、ひさしぶりにお会いできた方、ご紹介いただいて初めてお話できた方がいらっしゃって、出席してよかったなあと思いました。

難波弘之氏の「真幻魔大戦 イメージアルバム」のCD版を入手したところだったので、ご本人にお会いできたのは嬉しかったです。いまを去ること、うん十年前、LPで繰り返し聞いていた「サディスティック・サイキック・タイガー」「ムーンライト・セレナーデ」など、ひさしぶりに聴いて感慨にひたっています。

日本ファンタジーノベル大賞休止について

この移り変わりの激しい世の中で四半世紀も続いたなんて、すごいこと、関係者の方々に感謝あるのみなのですが、それでも、やっぱり寂しいし、ちょっと感傷的になっています。
わたしは平成元年の第1回に初めて応募してから再々挑戦して、第13回で大賞をいただきました。若い頃には、主人公に感情移入して作品の雰囲気にひたる、主観的な読み方しかできなかったのですが、審査員の方々の講評を読むことで、小説を書くことの技術面にも目を向けられるようになりました。
他の賞にも何度か浮気はしましたが、この賞が大本命で、自分の読書傾向、作品傾向からしても、この賞からデビューできたことは、本当に幸運でした。天使がやってきて「あなたの一生分のラッキーはこれでおしまい」と宣言されても文句は言えないところでした。
25年前とくらべれば、いろいろな作品に幻想性や物語性が取り入れられ、受け入れられるようになっていますが、この賞の懐深さはまた格別。読者としても、本当にたくさんの受賞作を楽しませてもらいました。
またそのうち、第二期開始します、というお知らせがあれば嬉しいなあ。

第25回日本ファンタジーノベル大賞授賞式

第25回日本ファンタジーノベル大賞

先日、第25回日本ファンタジーノベル大賞授賞式に出席してきました。
大賞は「星の民のクリスマス」の古谷田奈月さん、優秀賞は「忘れ村のイェンと深海の犬」の冴崎伸さんでした。小谷田さんの作品には心に残る新しさがあり、冴崎さんの作品は人を楽しませる、と選考委員の先生方に評されていました。どちらも面白そうで、読むのが楽しみです。

名著百選2013 〜私が今年、出会った一冊〜

名著百選2013

ブックファースト新宿店で恒例となった「名著百選」に今年も参加しました。昨年はケン・グリムウッド「リプレイ」を選びましたが、今回は辻邦生安土往還記」を挙げました。もう何度、読み返したか知れない、学生時代からの愛読書ですが、今年、ひさしぶりに読み返し、あらためて、短いなかに含まれる歴史の豊穣さを堪能しました。

青瓦の安土城、きらびやかな騎馬パレードなど美しい描写が心に残る、この小説の主人公「尾張の大殿(シニョーレ)」は、わたしにとって永遠のヒーローです。織田信長大航海時代の政治家の一人として、アステカ征服者コルテスと同列で比較される面白さを、ぜひ体感してみてください。

新宿店では、12月15日までフェアがおこなわれています。


名著百選2013 〜私が今年、出会った一冊〜
http://www.book1st.net/event_fair/fair/#a_1873

小松左京『日本沈没』-未来へのヴィジョン-展

近況はといえば、ひたすら長篇を書いています。
SFマガジン8月号に「SFセミナー2013」レポートが載っていました。「シスターフッドの時代に」については、柏崎玲央奈さんがまとめていらっしゃいます。
「ひなのころ」はキンドル版が出ました。「ひなのころ [Kindle版]
明治大学 米沢嘉博記念図書館で、故小松左京氏の『日本沈没』-未来へのヴィジョン-展がひらかれています。日本SF作家クラブからの三つの質問に答える形で寄せられたメッセージが50人分、展示されています。わたしも参加しました。


小松左京日本沈没』-未来へのヴィジョン-展
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-sakyo.html

日本沈没』へのメッセージ50
1.「日本沈没」には、いつ、どんな理由で目を通されましたか?
2.その時の「日本沈没」の印象はいかがでしたか?
3.「日本沈没」の読書あるいは鑑賞体験が、どのように自分の創作活動に影響を与えていると思われますか? もしこの作品は「日本沈没」 の影響を受けているというご具体的なご自分の作品がありましたら、そのタイトルを挙げてお答えください。

そのメッセージのなかでも触れましたが、学生時代、小松左京氏がわたしの母校にいらして講演をされたことがあります。その講演を聞いて、生まれて初めてくらいに未来について、すごく明るい気持ちになった、それは覚えているのですが、肝心の中身はもうすっかり忘れてしまったのが残念です。「いやあ、このあたりは昔、タヌキやイノシシが出ましてね。わたしがタクシーに乗っていたら、タクシーが衝撃とともに急に止まって、運転手さんが外へ出るからびっくりしていたら「今夜はシシ鍋です」と言う。イノシシをはねたんですな」という前ふりばかりを、くっきり覚えています。

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