日本ファンタジーノベル大賞休止について

この移り変わりの激しい世の中で四半世紀も続いたなんて、すごいこと、関係者の方々に感謝あるのみなのですが、それでも、やっぱり寂しいし、ちょっと感傷的になっています。
わたしは平成元年の第1回に初めて応募してから再々挑戦して、第13回で大賞をいただきました。若い頃には、主人公に感情移入して作品の雰囲気にひたる、主観的な読み方しかできなかったのですが、審査員の方々の講評を読むことで、小説を書くことの技術面にも目を向けられるようになりました。
他の賞にも何度か浮気はしましたが、この賞が大本命で、自分の読書傾向、作品傾向からしても、この賞からデビューできたことは、本当に幸運でした。天使がやってきて「あなたの一生分のラッキーはこれでおしまい」と宣言されても文句は言えないところでした。
25年前とくらべれば、いろいろな作品に幻想性や物語性が取り入れられ、受け入れられるようになっていますが、この賞の懐深さはまた格別。読者としても、本当にたくさんの受賞作を楽しませてもらいました。
またそのうち、第二期開始します、というお知らせがあれば嬉しいなあ。

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