日本ファンタジーノベル大賞関連本

・「黄金の王 白銀の王」沢村凜 ISBN:4344013980
以前、「瞳の中の大河」路線のファンタジーを書いていますとお聞きして、うわ、それなら、きっとわたし好みの話にちがいない、と思って、ずっと楽しみに待っていましたらば。「カタブツ」を超えて、沢村さんの作品のなかで最も好きな作品となりました。復讐譚でカタルシスを味わったことはこれまでにもありますが、屈辱、侮辱に耐えて耐え抜き、ついに生涯、復讐を“果たさなかった”男の話に、これほど心を動かされたのは初めてです。


・「つくもがみ貸します」畠中恵 ISBN:4048737864
舞台は変わっても、畠中さんの描く人たちは切ない思いを抱えながらも心温かい。いえ、やりきれない哀しみをもっているからこそ優しいのかもしれませんね。まもなく放映される「しゃばけ」のテレビドラマ版も楽しみです。


・「キャベツ めキャベツ」藤田雅矢(ぶん)、土橋とし子(え) ISBN:B000XG7DB0 
「ちいさなかがくのとも」12月号は藤田さんの絵本でした。イラストは藤田さんの「蚤のサーカス」を飾られた土橋とし子氏。めキャベツが茎いっぱいに、もぎとれないほどギューギューに生るものだとは、この絵本で初めて知りました。


・「中国雑話中国的思想」酒見賢一 ISBN:4166605968
酒見賢一氏初のエッセイ集。先日、所用で中国広東省、香港へ行く機会があったので、この本で「どんな話題よりも話が弾み、打ち解けること間違いない」と書かれていた関羽の話を持ち出してみました。香港出身のその人は「そうそう、とくに警察官が崇拝してるね。関帝はパワーの象徴なんだ」と語ってくれました。

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