第35回日本SF大賞贈賞式

第35回日本SF大賞冊子

日本SF大賞の贈賞式に出席してきました。
大賞を受賞されたのは藤井太洋氏の『オービタル・クラウド』(早川書房長谷敏司氏の『My Humanity』(ハヤカワ文庫JA)でした。贈賞のスピーチをされた篠田節子氏が候補作も含めて絶賛されていました。故平井和正氏の功績賞は平井摩利氏が代理受賞されました。
中学生のときに生頼範義氏の表紙にひかれて「幻魔大戦」を買ってから、高校時代までは平井さん漬けでした。とにかく手に入るものはすべて読む、という読み方をしたのは平井さんが初めてです。ファンクラブに入りたくて、でも入り方がよく分からなくて、ようやく入れて嬉しかったり、何もかも嫌になってしまった時も、もうすぐ平井さんのムック本が出るから、それまでは頑張ってみよう、と思ったり。成人してからは、あとがきなどに書かれたハルマゲドンに関する文章に批判的な気持ちが強くなっていたこともあり、お亡くなりになったことを知って、追悼文を書こうと思っても何をどう書いたらいいか分からない状態でした。(平井さんについて以前、書いた文章はこちらです id:chiseK:00020208)
森優氏が長年の友情を振り返って追悼され、東野会長が「わたしのあとがきは平井さんの真似です」とおっしゃっていたり、いろんな方の平井さんに対する思いを聞いて、当たり前のことですが、生身の平井さんは、わたしが思っていた「平井さん」よりもずっと大きい、重層的な方だったんだ、と思った一夜でした。娘さんでいらっしゃる平井摩利氏にご挨拶することができたのも感慨深かったです。

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