ブックレビュー

8日にお知らせした「アマゾニア」のインタビュー記事(日刊ゲンダイ)がブックレビューに転載されました。「クロニカ―太陽と死者の記録」と合わせて、あらためてご案内します。

「アマゾニア」のインタビューはこちら
「クロニカ―太陽と死者の記録」のインタビューはこちら

デビュー以来、スペイン征服期の南米を舞台に「クロニカ」「アマゾニア」、そして「月の卵」(「小説新潮」2001年12月号に掲載された短篇。インカ帝国で、処女のまま太陽神に仕えた太陽の乙女たちの話です)を書いてきました。「アマゾニア」が当初の構想を超えて1200枚以上の長さになったこともあり、この三作をもって、ひとまず南米を題材とする小説に区切りをつけ、次作はまた違った世界の話に挑戦しようと思っています。

日本ファンタジーノベル大賞関連三作

コレクター気質のまるでない私ですが、(以前、「鉄塔 武蔵野線」の銀林みのる氏にお会いしたとき、「背表紙をそろえる快楽のために角川文庫を1番から集めたことがあります」とお聞きして、びっくりしました)日本ファンタジーノベル大賞受賞者の作品は追っかけるようにしています。というわけで、以下二作は最近、読んだ作品です。
・「サラミス佐藤哲也 ISBN:4152086149
せまりくるペルシアの大軍をまえに、えんえんと泥仕合を展開するギリシア都市国家の司令官たちのやりとりが面白いです。話し合いによる民主的解決には、時間と労力とちょっぴり(いや、かなり)の悪知恵が必要とされることを痛感させられました。


・「ぼくがぼくになるまで」沢村凛 ISBN:4052020782
ジュブナイルミステリファンタジー、という造語をつくりたくなる作品でした。はじめ、主人公は暗闇のなかに閉じ込められているのですが、見えない、聞こえない、動けないのないないづくしの状況で、なおも自分に残された力を自覚し、冷静さを取り戻す過程にぐっときました。


・「青猫屋」城戸光子 ISBN:410415301X
第8回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作です。この作品を読んだのは出版直後でしたが、作者の城戸光子さんがお亡くなりになったとうかがったので、ご紹介したくなりました。歌(詩)こそが何にもまして重要、という世界でおこなわれる歌仕合の顛末。日本の風俗を材料につくられた世界でありながら、独自としかいいようのない異世界の空気を感じさせられます。なにより、「青猫屋」のお使い小僧、頓痴気がかわいいです。

佐藤茂氏の日記(こちら)によると「ユリス」という長篇が遺されているとのこと。ぜひ読んでみたいです。

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